HTMLはもともと文章をまとめるもの!
HTMLとはいったい何なのか、どこで生まれたのか、という部分から説明しましょう。
1989年頃、欧州原子核研究機構(通称「CERN」)という機構で、論文などの情報の管理方法が問題となっていました。
論文の情報が膨大な量になり、欲しい情報を探すことが難しくなっていたためです。
そこで、情報をサーバーに蓄積させてブラウザで表示させることで、情報収集できるようになれば便利!
ということになり、これが実現され効率化に成功。
特に便利だったのは、アナログではできない “関連している情報にリンクする”という概念が生まれたこと。
現代でもWikipediaなどを見ていると感じると思いますが、とても革新的な出来事でした。
これらをHTMLという言語で設計したのが、イギリスの計算機科学者「ティム・バーナーズ・リー」という方。
W3Cの創立者でもあります。
上記のような経緯があるので、もともとHTMLにデザイン要素を記述する必要はなく、論文(テキストデータ)を保存するために作られました。
これを踏まえてHTMLを実際に見てみると、本にそっくりなのです!
<title> ⇒ 本の題名
<h1> ⇒ 大見出し
<h2> ⇒ 中見出し
<p> ⇒ 段落
<img> ⇒ 挿絵
<table> ⇒ 表
正しく書かれているHTMLは、上記のタグが順序よく書かれています。
間違った書き方をしているHTMLの場合、例えば、中見出し(h2)の後に大見出し(h1)が書かれていたりします。
こんな本はありませんよね。
Googleなどの検索エンジンも、この辺りをよく見ていて検索順位にも影響がでます。
見やすい本にするために!
もともとは論文情報がほしい人しか使っていなかったので、見栄えなどはどうでもよかったのですが(←想定ですが)、現代のようにビジネスツールとしてWebを利用したりするようになってくると、見栄えは重要です。
そこで、開発されたのがCSSです。
これを利用すれば、配置や文字の大きさ、色などデザインに関するほとんどの表現が可能になりました!
ですが、世の中のホームページを見ると未だに配置や文字の大きさ色の設定まで、HTMLに書かれているものも多いようです。
しかし、これはあまりオススメできません。
Googleなどの検索エンジンも、本としてHTMLを”読む”ことができないのでページの評価は下がってしまいます。
検索エンジンのためのHTML!人間のためのCSS!
このようにHTMLとCSSの歴史から考えると、
“人間のためのCSS”
“検索エンジンのためのHTML”
が存在しているといっても過言ではないと思います。
これを理解したうえでHTMLを作成するのと理解せず作成するのでは、大きな差が生まれます。
Web制作をしている人もそうでない人も、ホームページを1冊の本として見ると面白いかもしれません!