「お客様は神様」というのはクレーマーの常套句だ、という話があります。
この言葉が使われるようになったことで、普段何も言わないただのお客様がクレーマーになり、
ただのクレーマーが悪質クレーマーになったと言われています。
どんな企業であろうと顧客第一なのかもしれませんが、この言葉に踊らされているお客様と店員のやりとりを何度も見たことがあります。
前回からお送りしている「顧客満足度向上」について、今回は顧客(ユーザー)と企業(クライアント)の立ち位置からお話していこうと思います。
お客様は何様?
「お客様は神様」。この言葉の経緯を辿ってみると面白いことがわかりました。
既に知っている人も多いと思いますが、この言葉は「三波春夫」氏が客席にいた「聴衆・オーディエンス」に向けて使った言葉です。
その場にいたオーディエンス、つまりファンを神様のように一番大切にしたいという考え方ですね。
しかし、この言葉がいつの間にか「飲食店」や「商店」でも使われるようになりました。
「お客様は神様でしょ」と、文句を言っている人をたまに見かけますよね。
つまり、元々の真意とは真逆の使われ方をしてしまっているのです。
「ファンを大切にしたい」という思いから生まれた言葉が、どうしてこのような使われ方に変わってしまったのでしょうか。
「ファン」と「ただの客」の違い
ここで、2つの使い方の違いを考えてみると、神様が「ファン」なのか、それとも「ただの客」なのかという部分に大きな違いがあるのがわかります。
どちらも消費者には変わりませんが、サービスを提供してくれている相手(一般的には企業・クライアント側ですね)に、一定の敬意・好意を持っているのが「ファン」で、それ以外が「ただの客」だと思います。
これは何が問題かというと、消費者側が自分に都合の良いように「神様」を利用しているところですね。
また、言われた側も言葉の真意を知らずに返す言葉がなく「はい、そうですね。。。」としか言いようのない事も多いのではないでしょうか。
こうしたクレーマーは、自分を神様に見立ててただ言っているだけで、三波春夫氏の「ファンを大切にしたい」という思いとはかけ離れてしまっていることが多いです。
困りましたね。。。
では、実際に言われた時、提供している側はどうすればいいでしょうか。
じゃあ、店員は「何様」なのか?
「お客様が神様」なら店員は「何様」なのでしょう?調べていく中でこんな言葉を見つけました。
「サービスには適正価格がある」
低価格なサービスが多いお店と高価格なサービスが多い店では、そもそものサービスの質が違います。
激安!という謳い文句の店に入ったけど、思っていたより雑な扱いを受けた時、「まぁ、安いんだからこんなもんか」と思った経験はありませんか?
サービスにはそれに相当する付加価値を提供する水準がまちまちです。これは価格によって上下すると思っていいでしょう。
それに納得できない!我慢できない!と感じた時、人はクレーマーになるのだと思います。
結論を言えば、「お客様は神様」でも「店員は何様」でもありません。
サービスを提供する側と受ける側、ここをお互い勘違いしないように、気を付けたいですね。
最後にWebサイトの話
Web担当者の皆さんが運用されているWebサイトは、お店と違って店員がいないので、丁寧に案内してくれたり、臨機応変に対応してくれたりはしません。
じゃあどうすればいいの?とお思いでしょうが、簡単です。
店員がいなくても、お客様が迷わずにサービスを受けられるように「わかりやすい」「使いやすい」Webサイトを作れば良いんです。
それは、デザインだったり、システムだったり、全体の構造だったり、はたまたSEOだったりと色々な要素があります。
サービスや業界、そしてお客様によってWebサイトの最適な形というのは変わってきます。
使いづらかったり、わかりにくいサイトはそれだけで「良くない神様」を作ってしまうかもしれません。