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AIはエネルギー問題の救世主か、破壊者か?

人工知能(AI)が稼働するためにはエネルギーが必要です。
近視眼的に見れば人工知能(AI)の計算に消費するコンピュータのパワー(直接的には電力ですが)は、膨大なものになります。気象シミュレーションや地震予測などの天災予防に費やすスーパーコンピュータの消費電力は桁違いに大きなものです。
しかしながら、スーパーコンピュータの活用は今や人工知能(AI)と切っても切れない関係になって来ています。

結論的に言えば人工知能(AI)は、難題を抱えるエネルギー問題の救世主となる存在です。
ネガティブな人工知能(AI)とエネルギーの関係の論評もある中で、その誤解も解きながらエネルギー問題に対する人工知能(AI)の役割を解説しましょう。

AIの消費するエネルギー

スーパーコンピュータ「京」のフル稼動時の電力量は、およそ一般家庭の3万世帯分、定常運用でも約2万7千世帯分にもなります。
次世代スーパーコンピュータの技術戦略分野は5つあります。

(出典:「挑むのは5つの分野」富士通)

全てが人工知能(AI)の稼働のために使われるわけではありませんが、日本中、世界中で稼働するコンピュータの何%かは人工知能(AI)のために使われています。
2022年には、人工知能(AI)が消費する電力が国内データセンター全体の4.8%に達すると言う予測も出ています。
また、自動運転技術の普及のボトルネックはクルマ(特にEV)に搭載された人工知能(AI)の電力消費かもしれません。
高度なAI処理をすると、電力消費のために走行距離が犠牲になりそうです。

文明の発展はエネルギー消費量に比例してきました。人工知能(AI)は人類の発展の一つの頂点です。ですので、消費電力は増えることはあっても減ることはないでしょう。
しかしながら、人工知能(AI)の活用による省エネ化は、その消費量よりも桁違いのエネルギーの節約をもたらします。

AIがもたらすエネルギー|AIは消費と生産の両方に関われるエネルギー問題の救世主

人工知能(AI)はエネルギー効率が良いばかりではなく、省エネ効果もあります。
家庭用エアコンでも、AI搭載の最新型では、従来機種(10年前機種)の10%以上の節電効果のあるものもあります。

(出典:「省エネカタログ」経済産業省 資源エネルギー庁)

AIはエネルギー問題の個別的最適化から全体最適に貢献する

人工知能(AI)がエネルギー問題のソリューションとして注目されるのは、家電製品やクルマ、工場や産業機器などの省エネ化を個々に行えるからだけではありません。
人工知能(AI)の多くはクラウドと繋がっており、ネットワーク化されています。
AI間のやりとりがスムーズに行われるようになれば、地球上全体のエネルギーマップを作成することも難しくありません。

障壁があるとすれば『ターミネーター症候群』のように、「AIによって人類が支配されてしまう」「AIに仕事が奪われる」と言ったような、在らぬ懸念でしょう…
日本政府(総務省)では既に、AI間の交渉・協調・連携による社会の超スマート化の研究が進められています。

もうすぐそこまで来ている5G(第5世代移動通信システム)では、クルマとクラウドの接続が進められます。車載AIと交通管制システムAIが10Gbpsを超えるような超高速通信でリアルタイムに交信をするようになります。当然、電力管理やエネルギー消費も全体制御されることになり「ムリ・ムダ・ムラ」にない運用が可能になるでしょう。

まとめ

梅干しを漬ける時の塩加減を「塩梅」(あんばい)と言います。梅に対する塩の量が多過ぎれば、塩辛くて食せず、少なすぎれば梅が腐ってしまいます。丁度良い加減を調整することが生活の知恵の中から引継がれました。
人工知能(AI)に費やすエネルギーによって何万世帯も停電にして稼働させることはナンセンスです。
けれども、真夜中に煌々とネオンサインを灯して、逆にコンピュータを稼働させないことも無駄なことです。
全体の最適値を探りながら個別の調整を図り人々の幸福度を上げることが出来るのが人工知能(AI)でしょう。

エネルギー問題の救世主になるのは、このような人工知能(AI)を使いこなす人の知恵に最終的にはかかっています。
企業経営と同じく人工知能(AI)が自動的に利益を上げてくれるわけではなく、AIを賢く使いこなす経営者が利益を上げるのです。

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