新聞やニュースではビッグデータという言葉をよく耳にします。
なにやら曖昧な感じのするビッグデータとは何を指すのでしょうか?
総務省の定義では「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」としています。
(参照:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc121410.html)
事業に役立てるためのデータという面では、今までも購買履歴からお客様の嗜好を読み解いたり、
季節ごとの売上データから仕入れ量を変動させるなど、ほとんどの企業や組織が活用をして
きました。
データを活用するという意味では同じなのですが、あえて「ビッグデータ」という場合、活用するデータ自体の分量がとても広範囲になる、まさにビッグなデータなのです。
いくつかの事例を見ながらビッグデータの実像と事業への役立て法を見ていきましょう。
ECサイトで商品を購入したら・・・
多くの方がECサイトを利用したことがあるかと思います。
商品購入後にショップからたびたび届く「あなたにはこのような商品がオススメです」
というようなメール。
大規模なECサイトでは、顧客の購買履歴やサイトの閲覧履歴、送信したメールの開封率などのデータを収集、分析し、各個人ごとに「あの人はこのような商品を好むだろう」ということを予測していきます。
その予測にのっとってメールが配信されています。
ECサイトを閲覧しているとき表示される「○○を購入した方は次の商品も一緒に購入しています」というのもビッグではないにせよデータ活用のひとつです。
車を運転するだけで・・・
車を運転する方もいらっしゃるでしょう。多くの車にはカーナビゲーションがついています。
カーナビはGPSと連動していますので、このGPSが送受信するデータを分析するといろいろなことができそうです。
例えば、誰がいつ、どこで、どのくらいの距離を運転したかが分かりますので、このデータに年齢や性別、事故履歴をかけあわせることで、個々人にあった損害保険プランを提供することができます。
顧客側は自分にあったプランが入手できるのと共に、保険会社側は逆ザヤのリスク分散が可能になります。
車の自動運転技術にもビッグデータは活用されています。
高速道路では、走行する速度に応じて車線変更をするときにきるハンドルの角度は異なります。
このデータを収集することで、走行中、隣の車が接近をしてきたとき、この接近は通常の車線変更なのか、または居眠り運転なのかを瞬時に判断し減速する、ということも技術的には可能となってきました。
IoTとビッグデータは相思相愛
IoT(Internet of Things)とは、すべてのものがインターネットとつながっていくという考え方ですが、IoTによって更にビッグデータが増えていくことになります。
一方、通信機能をもったウェラブル端末というものもでてきました。腕時計ではありますが、血圧を測る機能もあり、本人にとっては日常の血圧が常に確認できるというメリットがあるのと同時に、普段と異なる値が検出されたときにアラートが医療機関や家族の方々に送られるという未病効果も期待されています。