昨年より共創マーケティングという言葉を良く聞くようになりました。
共(とも)に創(つく)っていくマーケティングの主役は、主に生活者、そう、みなさんになるのです。
あれこれ言うより、事例を見ていったほうが早いと思いますので、いくつか紹介したいと思います。
一つ目は「とんかつマックバーガーの新ソース開発プロジェクト」。
昨今のヒットバーガーといわれるとんかつマックバーガーのソースは、実は一般の消費者の
意見を取り入れながらできあがたっというお話です。
また、キリンビールの「はまっ子のためのビールづくりプロジェクト」では、ビールのコンセプトや
味、ロゴやキャッチコピーまで消費者との話し合いでできあがりました。
異色なところでは、伊藤ハムの「ハム係長の商品開発部」というものがあります。
Facebookで人気のキャラクター、ハム係長が主催?する商品開発部で一緒に商品開発を
行っていくというもので、商品開発部の「部員」は一般消費者の方々になります。
共創マーケティングの狙いのひとつには、一般の人たちの意見を取り入れ商品を開発していく
ことのほか、ブランディングや消費者の声に耳を傾ける企業体であるという認知の促進、
訴求にもあるようです。
共創マーケティングのうまみとは?
今までも「消費者の声を取り入れる」や、「消費者のニーズを取り入れた商品」というように、
商品開発の現場での視点は常に消費者目線にありました。
なのになぜ今さら共創なのでしょうか?今までの商品開発のスタンスと比べても大きな違いは
ないような気がします・・・
NTTdocomoさんによりますと、「共創とは従来のように企業からお客様へ、またはお客様から
企業へ一方的に働きかけるのではなく、企業とお客様が協働して共に価値を創造することである。」
とありました。
(引用:https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/main/my_docomo_labs/02/)
「消費者の声を取り入れる」といってみたところで、多くの商品やサービスは企業から消費者への
押し売り的な面があったようですね。
企業と消費者が一緒になって商品を作り上げると、やはり愛着がわいたり、販売前からファンに
なってくれたり、またFaecbookやTwitterなどを使って拡散してくれたりする効果も期待できます。
マスマーケティングではリーチできなかった分野にまで情報を行きわたらせることもできます
ので、企業側としてはメリットの多い手法として注目されています。
共創マーケティングとWebの相性
企業が消費者と対話する、コミュニケーションをとる手段の一つとしてWebサイトは欠かせま
せん。この共創マーケティングの活用を後押しする大きなきっかけとなったのが、Facebookや
TwitterなどSNSやコミュニティサイトの発達です。
インターネット調査でも消費者がもっとも信頼する媒体として、インターネット上の意見、口コミ、
知り合いからのオススメなどが上位にランキングされています。
最強のパターンとしては、「信頼する知人からすすめられ、ネットの口コミでも高評価な商品」
といったところですね。
自分と同年代や近しい嗜好をもったひとが開発に参加して出来上がった商品であれば、
身近に感じられたり共感できたりしますので、おのずとネット上の評価もうなぎ上り!
ファンがファンを呼び、シェアされていけば、多額の費用をかけてプロモーションするマス媒体は
必要なくなる時代がくるかもしれません!
共創の落とし穴
新たなマーケティング手法ともてはやされている共創マーケティングですが、ひとつ忘れては
ならないのは、あくまでも商品を開発するのは企業側であるという点です。
消費者は商品を使う人ではありますが、商品を開発するプロではありません。流通にのせて
売っていくためにはコストや安全性など多くの課題をクリアしていく必要があります。
消費者の意見はひとつのきっかけととらえないと逆に振り回されて終わり、になりかねません。
身近な共創
共創という考え方を言い換えますと、相対する両社がともに協力することでより良いものが
産まれていく、ということなのだと思います。
売る側と買う側、見せる側と見る側など多様です。皆さんの周りにも共創の概念を取り入れる
ことで豊かになることがあるのではないでしょうか。
なじみの飲み屋さんでマスターとともにカクテル談義など楽しそうですね。