日本の夏の風物詩のひとつ、「怪談」。まぁ、このコラムがアップされている頃はすっかり秋なわけですけど、そこは置いておいて…。
誰かから聞いた話を、また次の人へ語り継ぐ。自分が体験した恐怖を共有してもらいたくて、話したくて堪らなくなるのが「怪談」の魅力です。
でも、「話す力」がないと、怪談って怖くないですよね。間に「えーっと」がたくさん入ってきたり、話の順番が飛んだりすると、何を伝えたいのかわかりません。
「話す力」とは「伝える力」です。「伝える力」がある人は、文章の組み立て方が上手な人です。
「伝える力」は、実はWebサイトでも必要です。できるだけ短い文章でわかりやすくユーザーに情報を伝えなければなりません。
そこで! 今回は怪談話を例に、文章構成の仕方のコツをご紹介します。
文章を書くのが苦手な方でも、これから紹介するポイントを押さえればバッチリ「怪談」を作り出すことが出来ますよ!
話作りの3つのポイント
それでは、早速ご紹介していきましょう。
1.「起承転結 」をつくる
4文字熟語で言うと難しく聞こえて不安になるかもしれませんが、分かりやすく噛み砕いて言うと
起…事が始まるきっかけ
承…事が起こる場所に主人公が行って、そこで起きたこと
転…話の中で最大の出来事が起こる
結…物語の締め、オチ
というふうになります。
上記に添って簡単な例を作ると、下記のようになります。
起…友人に廃寺に肝試しに行こうと誘われた。
承…廃寺を歩いている最中、懐中電灯が不可思議に点灯する。
転…懐中電灯が完全につかなくなったとき、暗闇から「こっちに来い、こっちに来い……!」と恐ろしい声がした。
結…一目散に逃げ出したあと、翌日昼にもう一度行ってみると、恐ろしい声が聞こえた辺りには急な下り坂があった。
こんな感じでしょうか。
それでは出来た骨組みに肉付けを行っていきましょう。
2.感情よりも「事実 」を話す
怪談はついつい「怖い」と感じてもらいたいために、感情を語る場面が多くなりがちですが、聞いている側からすると何が怖いのかがわからないと共感することができません。
そこで、起こった事実を1つずつ細かく語っていきましょう。例を挙げますと、
×:懐中電灯が変になって怖かった。
ではなく
○:懐中電灯が短い間隔で、カチカチ、カチカチと点滅を繰り返す。
とした方が、状況を想像しやすく、異常な光景だということがわかりやすいので恐怖心をあおることができます。
人間の五感で体験できる事実を入れると尚ベストです。
3.恐怖が話の主人公に近づいてくるように話す
これは怪談の大原則とも言えます。
近づいてくるように話すというのは、
他人の体験→友人の体験→主人公の体験
というように、主人公にとって段々身近になっていくようにするということです。
例えば、自分の後ろから髪の長い白装束の女の人がスタスタスタと一定のスピードで近づいてくるよりも、振り返るたびに少しずつ距離が縮まっている方が怖いですよね。それと同じです。
最後に
この3つのポイントを抑えると「最恐」の怪談を創作することができます。
あとは、どんな「恐怖体験」をさせたいか、の”想像力”でしょうか。
アイデアが思い浮かばないときはこのぺージ(http://nazolog.com/)とかを参考にするといいかもしれません。
ところで、今、これを読んでいるあなたは、部屋にお一人ですか?
ほら、昔から言うじゃないですか、「怖い話をすると悪いものが寄ってくる」って。
実は、怖い話を考えるだけでも、悪いものって寄ってくるらしいですよ?
タイトルで私がどうして、「背後に気を付けて」と申し上げたかお判りでしょうか……?
悪い予感がしたあなた、振り向かないでくださいね?
もしかすると、あなたの後ろに……。