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ジオターゲティングを起点に個人情報を考えてみる

以前、このような記事を読んだことがあります。
「私が日曜日に子供と商店街を歩いていると、スマホにメールの着信がありました。何だろうと思って見てみると、そこには ”親子で試せるフラワー教室が近くにあります。母の日プレゼントにいかがでしょうか?”との文字が。誰かが私たち親子を観察しているのかと思い、周りをきょろきょろしてしまいました。怖かったです。」
実は、これはジオターゲティングと言われるマーケティング手法を使ったものです。
ITリテラシーの高い人であれば「急にこのようなメールが入ってきたということは、1週間前に会員登録したサイトの情報がもとになっている可能性があるな。気を付けよう」とかなりますが、一般的にはそこまで思わないのではないでしょうか。
昨今注目されているジオターゲティング。
今回はジオターゲティングを起点として、個人情報の在り方について触れていければと思います。

そもそもジオターゲティングって何?

ジオターゲティングとは、パソコンやスマホから得られる位置情報をもとにして、その場所に特化した広告や情報の配信を行うマーケティング手法のことです。
geotargeting と書きますが、geographic targeting(地域ターゲティング)の略になりますね。
上述の「怖かったですメール」はどのように配信されているのでしょうか?
先ずは位置情報の把握ですが、パソコンやスマホ、Wi-Fiに接続されたときに分かる
・IPアドレス
・GPS情報、基地局
・Wi-Fiの接続情報
などから利用者の位置を割り出しています。
この位置情報と利用者の属性をかけ合わせたのち、その人が「この範囲にいるときにフラワー教室の勧誘メールを配信する」という条件のもとに「怖かったですメール」は配信されているのです。

ジオターゲティングが注目されている理由

ジオターゲティングが注目されている理由は大きく次の2つになります。
1.エリアを指定して広告を配信することができる
2.行動履歴をもとに広告を配信することができる
エリアを指定して広告を配信できるということは、ユーザーの生活エリアにピンポイントで広告を配信できますので、マス広告のような無駄な配信コストを抑えることにつながります。
行動履歴をもとにした配信とは、一例で言えば、野球場やバッティングセンターによく通っている人に対して、野球関連の情報を発信するというようなケースです。この場合、マス的な通常広告と比べ、その情報の利用頻度や購入割合は高くなっていくことは容易に想像できますね。
「野球場やバッティングセンターによく通っている」ことがどうして分かるのかというと、皆さんが持っているスマホのGPS情報から割り出せるのです。

ジオターゲティングと相性が良いOtoO施策

OtoOとは「Online to Offline」の略で、インターネットなどのオンラインからの接点をもとに、実店舗などのオフラインの場へユーザーを呼び込む施策のことです。
実店舗への集客においてジオターゲティングは良い効果を見込むことが期待できます。
ジオターゲティングを使うと、店舗の近くにいるユーザーへWebやメールで、セールやキャンペーンなどの広告を配信して来店に結び付ける施策がうてます。
例えば、日本酒の紹介サイトを見ている世田谷区在住のAさんに対して、「明日の正午からスーパー世田谷店では獺祭を半額で販売。100本限定!」という具合ですね。これに加え、先月2回以上店舗に来てくれた人に対してのみ広告を配信する、というコントロールも可能です。
また、アプリをインストールしているユーザーに対しては、店舗の半径10km以内にいることを条件にセール情報などをプッシュ配信して来店につなげるというような活用も考えられますね。
OtoOはWebやスマホアプリ、SNSといったオンラインからの接点が起点となりますので、ジオターゲティングとの相性はとても良いものとなっています。

ジオターゲティングと個人情報

ジオターゲティングを活用する過程では、当然ではありますが個人を特定できる情報は取得しない、使わないということが大前提になります。
移動する人の位置情報を取得する方法としてGPSのほかにBluetooth(ブルートゥース)がありますが、BluetoothはGPSと異なり距離計測の誤差は10m程度になります。
話はちょっと変わりますが、BluetoothやGPSを使った新型コロナウィルスの陽性患者判別の是非や行動履歴の公開について、個人情報の適用範囲を巡って議論されてきていることは記憶に新しいところです。
個人情報と密接にかかわるBluetoothをオンにしておくと、例えば店舗内でどこを歩いてどこに行ったかという情報まで記録することができてしまいます。店舗に入るとクーポンやポイントが獲得できるイベントなどは、Bluetoothの活用が必要になりますが、個人情報とのかかわりも考慮することが大切になってきます。
スマホの普及に伴いユーザーの行動履歴や趣味嗜好もデータ化されることでより精度の高いマーケティングができるようになってきました。
これからは、便利さの追求と個人情報の保護という相反する2つについて、どのように折り合いをつけていくかも検討していかないとなりません。

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