RPA関連

ホテル業務でのRPA導入の効果

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ハウステンボスの「変なホテル」のロボット導入で、がぜんホテル業界でロボットに注目が集まっています。

ただ、ここで取り上げるRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)は、そのロボットではありません。ロボット=自動化のことで、ルーチン化された業務処理をオートメーションに進める手法のことです。

サービス業の中でもホテル業は、24時間365日休まずお客様と接しなければならない仕事です。また、フロント業務だけでなく多くのバックオフィス業務を抱えています。インバウンドの旅行者も増加している関係もあり外国語での対応も必須の業務です。

フロント業務は否定形型で外国語での対応も多いのでAIの出番ですが、後方支援業務はルーチン業務が多く複雑ではなくても正確に大量の業務をこなさなくてはならないものがあります。

そのような業務でRPAがどのように活用できるのかを考えてみましょう。

・ホテル業務の必須事項とRPA

ホテル業務で宿泊客との関係で必ず必要となる業務は何でしょうか。

利用の流れを考えながら、発生する付帯業務を分析してみましょう。

大まかな流れをフロー化すると次のようになります。

【ホテル業務のフロー】

予約→チェックイン→客室利用→ホテル内設備利用→チェックアウト(支払い)→客室清掃

予約からチェックまでは、最近のホテルでは「ホテルシステム」が採用されていますので、その手順に従います。端末に確認事項(本人確認やパスポート、バウチャーやクレジットカードのデポジットなど)や修正事項(客室タイプの変更や宿泊日程、宿泊人数、ルームサービスなど)を入力すれば宿泊者名簿は完成します。

その後はルームキー(ルームカード)をゲストにお渡しすれば、最初の仕事は完了です。

最新のホテルシステムでは、バウチャーやパスポートもスキャンして、事前予約状況と照合するか新規ゲストの場合には登録作業もOCR処理で手入力の必要もないでしょう。

【業務の橋渡しに伴うデータの発生】

しかしながら、IT化が進んでいるとは言え、必ずしも全てのホテルのシステムが最新では無い場合もあります。

その場合には、どうしても人間の介在とマニュアル入力・修正が発生します。

特に毎日の業務日報の完成には各種のシステムからのデータとWebからのデータの日報システムへの転記や修正が発生します。エクセルを使用している現場もまだまだ多いでしょう。

ゲストがホテル滞在中の施設利用も客室番号のサインやルームカードの確認で、ホテルシステムに再登録する場面もあります。

チェックアウト後のお忘れ物確認や清掃作業も完了/未了のチェックも必要です。清掃業務をアウトソースしている場合には、パートナー企業への作業指示書も必要になります。

・ホテル業務へのRPAの導入効果

このような一連の情報の流れの中で、Webサービスからホテルシステムへのデータ移動や記帳書類からの転記作業などがロボット化の対象となります。

日々繰り返す必要のある、このような作業をロボット化するとどのくらいの効果が発揮できるでしょうか。

2016年の厚生労働省の調査では、日本のホテルの件数は約1万件、旅館が4万件で客室数およそホテル87万室、旅館70万室です。稼働率を60%とすると、年間3億4千万泊(94万泊×365日)の利用となります。RPAによってゲスト1泊当たりの業務時間が10分/日の短縮できるとすると、約30億分(5,000万時間)の時間短縮が実現できることになります。

時給換算(@1,000円)で考えれば約500億円のコストダウンになります。

RPAの導入実績による効率化実績は業種により違いはありますが、ルーチンワークでは10倍〜20倍の効果がでていますので、さらに大きなコストダウンができます。また入力ミス等の誤りの低減による副次効果も期待できるでしょう。

大手のホテルチェーンでなくてもRPAならば初期投資も最小限からはじめられ、稼働スタートまでの時間も短くてすみます。最新のホテルシステムの導入比べて数分の一の短期で実現できます。

システム導入に躊躇している中小の旅館でも充分に検討の土俵にあげることができます。

・まとめ

宿泊業の平均賃金(236万円)は依然と他の業種に比べて低く、また離職率も高いのが実態です。

(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/16-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf)

「働き方改革」が進む中で、ホテル業界で長く働きつづけ優秀な人材確保のためにもRPAによる業務改革は急務です。

「ホスピタリティ」に代表される、旅人に温かなサービスを提供するホテルの仕事はなくてはならない大切な仕事です。RPAにより生産性をあげ労働環境の改善が進めば、2020年のオリンピックには最高の人材で世界からの旅行者を迎え入れることができます。まだまだ時間はあります。

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