AI関連

今後の芸術分野を変えるGANとは

AIが生み出した作品が高額で落札される時代に

アートや、イラスト、デザインの分野に、AIが進出しているなと思う機会が増えました。
去年参加した人工知能EXPOでは、多様な顔イラストをAIが描く「彩ちゃん」というAIツールを見かけました。
異なるイラストを組み合わせて、新しいイラストを生み出すことができます。
イラストをAIが描くわけではなく、画像同士を組み合わせてイラストを生成をするようです。
画像を組み合わせ、新しいイラストを生み出すAIは他にもあり、
中には、高額で落札された絵画を生み出したAIも存在します。
アーティスト集団「Obvious」は、AIで「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」という肖像画を生み出しました。
オークションでは、予想価格である約79万円~約113万円に対し、約4894万円で落札しています。
背景の暗闇から浮き上がった人物を見ると、輪郭がぼやけていて、どこか不気味さを感じさせます。
不気味さと言えば、AIが考えるファッションデザインも見かけた時に怖いなと思った記憶があります。
AIが作ったファッションショー画像は、人間の顔と服の境界線が曖昧だったり、
服のテキスタイル自体を学習できていなかったため、表面がつるりとしているような不自然さがありました。
リアルに近づけようとした時に感じる一種の不快感は、ロボットの「不気味の谷」に似ているかもしれませんね。
アートや、イラスト、デザインの分野でAIが今後進化していくためには、用いられるAIとともに今後何を学習していくべきか考える必要があります。

人間が予測不可能な結果を生み出すGAN

上記のAIの創作物に用いられた技術は、GANと呼ばれる「敵対的生成ネットワーク」(Generative Adversarial Networks)になります。
敵対的とあるようにGANの学習手法では、
「ジェネレーター(generator)」と「ディスクリミネイター(discriminator)」という2つのネットワークが競争し合うことで結果を出力していきます。
その際、AIには正解データを与えず、競争を重ねさせることにより、
プロセスの中で生じる意外性から、人間が予想できないことを実現させることができます。
AIは将来的に、人間に置き換わると言われていますが、どうやらルーチンワークや、単調作業に限らないようです。
置き換え不可能と言われていた0から1を生み出すことまでAIができるようになりました。
どのような競争をさせることで0から1を生み出しているのか、
2つのネットワークの役割を元にご紹介します。
<ジェネレーター>
より本物に近いデータを生成する役割を持つ
偽札で例えるなら、より本物に近づけようと偽造する側
<ディスクリミネイター>
ジェネレーターが生成したデータが本物か偽物かを識別する役割を持つ
偽札で例えるなら、本物か偽物かを暴く警察側
偽札は、長年繰り返されてきたことにより、素人が見ると判断が難しいレベルで精度を高めてきました。
ジェネレーターとディスクリミネイターも、繰り返し処理を行うことにより、処理の精度を高めます。
ただ、本物に近づけさせるためには、偽札でいうところの印刷技術・スキャン技術の発達のようなアップデートが必要です。

描写に必要な要素を個々でGANに学習させる

そのヒントとなるのが、テクスチャ、色、陰影、骨格、感情による表情の変化などのアルゴリズムです。
デジタルペイントの分野では、自動着色の技術が発達してきており、線画のみ書いてしまえば、
あとの工程はすべてAIがやるようになってしまいました。
ただ、人間が考える肌、髪の毛、服というパーツごとの判断というよりは、
あくまで線画によって区切られた部分に着色していくという認識の仕方をしています。
台湾・東呉大学と早稲田大学による研究チームが開発した
「Generating Digital Painting Lighting Effects via RGB-space Geometry」は、
1枚の画像から照明効果を生成するアルゴリズムですが、こちらも色を塗る時の線の密度で判断しているようです。
いきなり人間の思考と同じく、立体や部位を捉えながら描くということは難しそうですね。
lightinggan.jpg
上記の技術はそれぞれが単体で研究されていますが、
すべて組み合わせた上で、ジェネレーターとディスクリミネイターによるAIの研鑽を積み続ければ、
いずれ人間のような正確性を持つに違いありません。
今のAIは、あくまで画家のサポーターという立ち位置にしかすぎませんが、
イラストの仕事も納期があり、一定の技術力とリソースの確保が必要だと考えるとAIのサポートがあれば
より効率化を測れるのではないだろうかと考えます。
私個人としては、テーマと参考画像を数枚与えて、
100パターンもの画像生成を行なってくれるAIが早く欲しいです。
一番時間がかかるのがアイディア出しですが、AIが生成した画像から
インスピレーションを受けて描くことで、今までないものが描けるかもしれません。

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