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【人工知能(AI)×災害対策】AIで洪水・防災対策を進める

「特定非常災害」に指定された、2018年の「西日本豪雨」は今世紀最悪の土砂災害になってしまいました。
多くの被害を生み出した、山の土砂や岩が雨と一緒に流れ出す「土石流」は
一瞬にして田畑や住宅地を飲み込み、3.11東日本大震災の「津波」のようにも見えました。

それ故に「土石流」は別名「山津波」とも呼ばれるほどです。

近年、AIを活用した洪水予測システムの構築がはじまっています。

不幸なこのような災害への対策にAIがどのような役割を果たすことができるのかをここでみて行きたいと思います。

AIを活用した洪水予測システムの構築

河川水位の予測が可能になれば、洪水や土石流での被害を最小限で食い止めることができます。
そのためAIを活用した予測システムの研究が各方面で進んでいます。

その背景には、

1.水害防止のためには、河川水位の将来予測が必要不可欠
2.数時間後の下流河川の水位予測により、適切な水防活動、避難勧告・指示が可能
3.流域に張り巡らされた、雨量・水位などの観測網が充実してきた

ことがあげられます。(国土交通省)

特に近年はIoTの進化によって、各種の設備とインターネットの接続により
データの収集が以前よりも容易になり、コンピュータパワーの増加で分析時間も格段にスピードアップしています。
しかし、逆に大量のデータの処理が従来の方法では追いつかず、必要な時にとりだせない弱点を生んでしまいました。

そこで登場したのがAIです。

機械学習には、事前に優良なデータで学習させた「教師あり学習」と、素データをどんどん学習させる「教師あり学習」があります。
この良質な方法と手間の少ない良いとこ取りをしたAIがあります。
それが「半教師あり学習」で、さらに河川の流出実測値をリアルタイムで
フィードバックさせたアクティブラーニングを取り入れた方法の研究も進んでいます。
(「ディープラーニングを用いた洪水予測モデルの開発と今後の展望」日本工営)

これらの予測データは護岸工事の際の設計データとしても有効であり、より安全なインフラ作りにも寄与します。

ビジネスへの洪水の影響

洪水や土砂災害は著しく経済活動を停滞させます。2011年に起こったタイの洪水では、
7月から始まり3か月以上続き、2011年12月25日の時点で752人死亡、230万人以上が影響を受けたと言われています。
また被害総額は1 兆 3,600 億バーツ(約 3.5 兆円) と算定されています。(世界銀行)

親日であるタイには日系企業も数多く進出しており、IT関連企業の生産拠点もありました。
当時は、レーザープリンターの基幹部品の生産が滞り、日本市場に一時、レーザープリンターが市場から消える騒ぎがあった程です。

2018年の「西日本豪雨」でも、農林水産省は2018年7月17日時点で、
西日本豪雨や台風7号による農林水産関連の被害が計529億7,000万円になるとしています。(NHKニュース)

また、自動車大手メーカーのマツダは広島本社工場と
防府工場の操業が停止に追い込まれる事態までに至っています。

このような巨額の損失を生む洪水を、人々の生活にとってもビジネスにとっても最小限にしたいものです。
操業停止の判断のための、災害状況の判定や復旧へ向けてのシミュレーションには
まだまだAI活用の余地が残されています。

AIで防災対策を進める

AIを活用した洪水予測システムの構築で、
被害を最小限に食い止め経済活動の停滞を防ぐことが求められるでしょう。

従来も、河川の流出量の解析をして河川水位を予測する物理モデルがありました。

それに対して流量観測、現地調査を不要にしてレーダー雨量、潮位、ダム、融雪等の
影響因子を反映したAIモデルでは、モデル構築時間・予測計算時間を短縮し、リアルタイム予測を可能にしています。 (独立行政法人土木研究所)

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(出典:新たな洪水予測技術 「人工知能技術を活用した洪水予測手法」)

2018年の「西日本豪雨」の被災地域で死者を出さずに難局を乗り越えた地域がありました。

そこで役立ったのが事前に住民と行政で協力して作った「逃げ地図」の作成でした。

「逃げ地図」とは、日建設計有志により開発された避難時間を居住地区の周辺地図に可視化する方法です。
災害時、短時間で避難が完了するように、避難経路や所要時間、車椅子や歩行困難者のルートも加味した地図です。

実際の避難に役立てるのはもとより、作成の過程で地域住民同士と行政のコミュニケーションを密にし、
防災意識を高めるに非常に役立っています。

また、AIを活用してSNSから情報収集して非難に役立てる研究も進んでいます。
リアルでツイットして、住民同士で情報共有を進めるのを行政が助ける仕組みづくりです。

まとめ

災害を最小限に食い止めるために必要な情報が行き渡っていないのが到達点です。

哀しいけれども、これが現実です。情報が無いわけではなく、
必要な人に必要な情報が届いていないことに問題の本質があります。

情報の非対称性という、双方で情報と知識の共有ができていない状態の存在をAIの活用によって克服する研究も必要です。
情報弱者は災害弱者(乳幼児や高齢者)とイコールなので、地域住民や行政がその格差を縮めるためにAIを有効利用できるはずです。
スマートフォンは使えなくても、家庭にスマートスピーカーがあれば
緊急速報やチャットボットの力を借りて救出のための最適な方法のアドバイスを受けることも可能です。

洪水は予兆が地震よりも長い時間で現れます。
その時にAIからの警告を受けて行動すれば、より多くの人命の救出が望めます。

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